終の時刻を迎えて 

終の時刻を迎えて いつかこの脳も停止し 手も足も口も動かなくなり
この世なる現象世界で 私は肉体で表現する手段をもたなくなるとき
全ての人の記憶に 過ぎ去った過去の思い出として 私は次第に遠ざかり
やがて悠久の時刻の流れに飲み込まれるとき 私なる主はいずこにありや

過ぎし過去を振り返れば そこに私があるがままにあり そしてなし
ただあるは 常に私を見失うことを恐れて 孤独に身をおくことを好み
人に囲まれては私を見失い 失敗と失望とを繰り返して 悔いることを常とし
裸の私に戻るために旅に出 傷つきし心を癒し 乾きし心に潤いを取り戻す

しかし私は後半の人生で 心の砂漠の果てに神に会い 神と共に歩むことを志し
過ぎ越し日々こそ後悔を私に残さず その思い出は日を経るとも色褪せず
我が心のままに生きてよしとする 最良の人生を生きて悔いもなく感謝のみ
神と共に歩むは人と共に歩むこと 人を導きて人とともに神の許に歩むこと
私はそのために多くの人々と出会うが 多くの人々との別離もあって
私はただその人々を育てられず 導けなかったことを悔いて神に詫びるのみ

充実する人生は矢のごとく早く その思い出はきら星のごとく隙間もなくつづき
過去と現在の空間を埋めて時間もなく この世あの世をひとつにして段差もなく
一切の堺や次元を超えて調和する 色即是空の般若の世界を教えて幾星霜
人が終の時刻を迎えて心備えるときに 私はその時間をも惜しみて人を導く

エル・フィン (瀬川 宗一)

我は何もの

時に綿のように軽く
時に黄金のように重く
有って在り 無くて亡きが如くに
霧散しては宇宙に拡がり
集中しては一点に凝り
凍って停止し 暖かさに湧いて激動を繰り返して止まず
時に一滴の涙を流し
時に陽の暖かさを発し
光りを求め 一筋の光りにすすみながら
闇の何たるかをも 求めて止まず
自転公転して四季をつくり
生死を繰り返す
我が心やいずこに
安らぎはいずこに